この絵本の内容紹介あらすじ

「あと2つねるとチュソクです。」
チュソクは韓国の旧暦8月15日のこと。日本のお盆にあたる日で、韓国でも同じようにみんなが里帰りの準備をしています。

翌朝、まだ暗いうちにソリちゃん一家も出発しますが、バスターミナルはもう人でいっぱい。お土産の手提げ袋を持ったたくさんの人たちの行列ができていて、道路も車で大渋滞!
人々が一斉に大移動する様は、まさしく日本のお盆の恒例行事そのものです。

この絵本は言葉が少ない分、たくさんの人の様子が具体的に描かれたイラストからいろいろなことを想像できるのも醍醐味。大勢の人の中からソリちゃん家族を見つけたり、人々がどんなおしゃべりをしているのか考えてみたりとイラストからたくさん想像力が刺激されます。

夕暮れどきにやっと田舎に到着し、翌朝はいよいよチュソクの日。
日本のお仏壇のように、たくさんのお供え物としてチャリェ(先祖に収穫の報告とお礼をする儀礼)を行った後、お墓参りへ向かいます。
行事の一つひとつが日本ととてもよく似ていて親しみを感じつつも、韓国ならではの衣装や飾りものの違いがとても興味深く、思わず細かい絵の世界に惹きこまれます。

いよいよソリちゃんが帰る日。ハルモニ(おばあさん)の様子と最後の場面には、万国共通の身内を思う気持ちに共感できるはず。
日本の「お盆」とよく似た韓国の「チュソク」の共通点と違うところを楽しみながら、先祖を偲ぶ行事と異文化への理解を促してくれる一冊です。