この絵本の内容紹介あらすじ

ツガルは、青森生まれのフタコブラクダ。小さな観光牧場にお父さんとお母さんと暮らしていました。

ところが、ある年の冬の初め、その観光牧場は閉じられてしまったのです。お客さんがあまり来なかったのが原因でした。

そして、お父さんとお母さんは他に貰い手がついたのでツガルとは離ればなれになってしまいます。ツガルはいよいよひとりぼっち。

そんなツガルの様子を気に掛けていたのが一人の優しいおじさんです。ツガルが笑顔でいられるようにとあちこちに掛け合っては貰い手を探していたのです。

おじさんのおかげでようやく貰い手がつくと、ツガルは横浜の動物園で暮らすことになりました。1日半もの長旅を経て、ツガルは横浜に引っ越しました。

横浜の動物園では、ツガルはすっかり人気者。たくさんのプレゼントが届くほどです。

ある日のこと、充実した日々を送るツガルのもとにフタコブラクダが引っ越してきました。札幌から遠路はるばるやってきたのです。

2頭のフタコブラクダは連れ添いながら仲良く暮らしていましたが、悲しいお別れの時がやってきます。7年間、ツガルのパートナーとして連れ添ってきたフタコブラクダは、病気にかかり亡くなってしまうのでした。ツガルはまたひとりぼっち。

でも、悲しいことばかりではありません。誕生日になると特別なバースデーケーキを貰います。リンゴやニンジン、イチゴにサツマイモ、ツガルの好物でいっぱいのバースデーケーキです。
ツガルがそのバースデーケーキをペロリと平らげてしまうと、子どもたちは大喜び。

横浜での日々はゆったりと流れ、気づけば世界で一番長生きのラクダばあさんになりました。だんだん年老いたツガルは、ある日、自分のルーツがゴビ砂漠であることを飼育員さんに教えてもらいます。青森生まれのツガルは、砂漠がどんなところかは知りませんが、たぶんこんなところだろうなと思いを馳せ……。


横浜市立野毛山動物園で余生を過ごしたフタコブラクダ「ツガルさん」を描いた絵本です。この絵本は、2014年5月23日に亡くなったツガルさんへの愛と尊敬と感謝の念を込めて描かれた物語です。