この絵本の内容紹介
工事の車が走り回り、穴を掘って、柱を立て、煉瓦を積み上げ、ようやく新しい建物が完成しました。
新しい建物は、自分が学校であることを知るのですが、生まれたばかりなので学校がどんなところなのかはまだ分かりません。
朝になると男の人がやってきて綺麗に掃除をしてくれます。この男の人は用務員なのですが、学校は自分が用務員の家なのだと思い込んでしまいます。
そこで用務員は、学校はたくさんの子ども達が来るところだと教えるのでした。
それを知った学校は、ワクワクするどころか心配ばかりが募ります。しかも、お昼は用務員がいないので心配はさらに募るのです。
新学期が始まるとたくさんの子ども達が学校を目指して登校してきます。そして、学校の中は子ども達で賑やかになるのです。
子ども達は、ドアやロッカーを開けたり閉めたり、水を飲んだり、走り回ったり。そんな様子を物珍しそうに学校は眺めているのでした。
校庭の隅っこでは、膨れっ面の子ども達が学校が嫌いだと嘆いています。親に抱えられて登校する女の子は、学校に行きたくないと嘆いています。
そんな様子を目の当たりにした学校は、自分が嫌われていることを悲しむのでした。
ところが、その悲しみはだんだんと怒りに変化して……。
学校に心があったらどのようでしょうか。この絵本は、そんな学校の気持ちを描き出します。子ども達が笑ったり泣いたり怒ったりするのと同じように学校も笑ったり泣いたり怒ったりするのかもしれませんね。
学校の気持ちに寄り添ってみると、学校のことが少しでも好きになるかもしれません。学校という存在を視点に子ども達の学校生活を描いたお話です。