この絵本の内容紹介あらすじ

動物たちへの視線が、なんとも素直で愛らしい絵本です。

飼育係のお手伝いをする「もゆちゃん」の12のエピソード。
小さい頃から日曜日になると、動物園の飼育係だったお父さん(あべ弘士さん)の仕事を手伝いに行っていたあべまいこさんが日記のように綴った絵本です。
ゾウのアサコのうんちをスコップでバケツに入れて運んだり、ニンジンをいっぱい刻んでサクラエビとまぜてフラミンゴのごはんを作ったり…。
高畠那生さんのイラストで、遊びごころいっぱいのポップな世界が広がります。

絵本「おしゃべりどうぶつえん」の一コマ

あべまいこさんからのメッセージ

小さい頃から兄と私は日曜日になると、動物園の飼育係だった父の仕事を手伝いに行っていました。
今でこそ全国から人が集まる動物園になりましたが、当時は夏でも人はまばらで、雪が降ると春がくるまで完全に閉園してしまう、のんびりした動物園でした。
そこは私たちにとって絶好の遊び場で、夏はフラミンゴのプールで泳ぎ、冬は動物園のてっぺんからそりで滑りおりる…。
ここで一緒に遊んだゾウのアサコ、キリンのタミオ、ラクダのコブオ、そして我が家で少しの間、姉妹のように過ごしたテナガザルのモモコ。
小さかった私はこの絵本のように本当に彼らと“おしゃべり”してたのだと思います。

高畠那生さんからのメッセージ

動物園とセットになって思い出すのは、容器がマスクメロンの形をしたアイスクリーム。
確かオレンジもありました。動物園にいくとそれが食べたくて食べたくて…。
マスクメロンの柄をもってパカッと開いて、木のスプーンですくって一口。
でも、いつも思ってた以上においしくはなく、じゃあ、容器がほしかったのかというと、そうでもない。
そのうち、あのまあまあほどほどのアイスクリームの味が好きなんだと気がつきました。
それから「そんなに美味しくはないけど、なんだか食べたくなるもの」がふえて、結果的にはまずいものなんて何もないと錯覚するようになりました。