この絵本の内容紹介
ある日、クラークが野良犬達と仲良く群れていると、白いサルが慌てて迎えにきました。おばあさんが落とし物をして大騒ぎしていると言うのです。
「じゃあな、クラーク」
「おばあさんによろしく、おサルさん」
野良犬達に見送られながら、白いサルは小さなため息をつきました。このため息には理由があったのですが、気に止めるものは誰もいません。
白いサルとクラークが帰り着くと、おばあさんはがっくりと肩を落としていました。おじいさんにもらった大切な指輪を無くしてしまったのです。
そこで、白いサルとクラークは家を隅々まで探してみるのですが、それでも、おばあさんの指輪は見つかりません。そんなとき、窓の外からカラスが声をかけてきました。
「そんなところには、ないわよ。おばあさんが かいものから かえってきたときには、もう ゆびわは していなかったからねえ」
それを聞くと、白いサルとクラークは街へ探しに出掛け、大通りの花屋のおじさんに尋ねてみました。ところが、今日はおばあさんは来ていないと言います。ただ、おばあさんを公園で見かけたと教えてくれました。
そこで、今度は公園に探しに行こうとクラークは気が急いていました。一方、白いサルは他にも花屋のおじさんに尋ねています。白いサルは別の何かを探しているようでしたが、結局、それもここでは見つかりません。
それから公園に着くと、二匹はさっそく指輪を探しますが、ここでも見つけることができません。ハトに尋ねると、案内所で落とし物のお知らせをしていたと教えてくれました。
しかし、案内所に届いていたのはオモチャの指輪。クラークは他を探そうと急いでいましたが、白いサルはここでも別の何かを探しているようです。案内所のお姉さんにコソコソと何かを尋ねていますが、その探し物も見つかりません。
とうとう二匹は困り果てて、野良犬のボスに相談しました。そして、占い師の魔女を訪ねることを提案されました。占い師の魔女は、過去も未来もお見通しなのです。
ところが、そこまでの道のりには危険が潜んでいます。しかも、辿り着いたとしても、魔女は機嫌が悪いと何も教えてくれないのです。それならと、野良犬のボスは、占い師の魔女の好物であるトカゲの尻尾を持たせてくれるのでした。
そうして薄暗い地下の階段をどこまでもどこまでも降りていくクラークと白いサル。ヘトヘトになりながらもやっとの思いで魔女のところに辿り着きます。
ところが、今日の魔女は不機嫌です。おばあさんの指輪の在り処を教えてくれそうにもありません。そんな不機嫌な魔女に白いサルがトカゲの尻尾を見せると……。先ほどまでの機嫌はどこへやら、あっという間に機嫌が良くなりました。
白いサルは魔女にトカゲの尻尾を、魔女は白いサルに指輪の在り処を記した地図を渡しました。加えて、もう一つの探し物もすぐに見つかると魔女は白いサルに言いいました。
こうして指輪探しも終盤に差し掛かります。地図が記すのは近所のベンチです。さっそく二匹が向かうと、そのベンチの下に指輪は落ちていました。
指輪が手元に帰ってくると、おばあさんは涙を流して大喜び。ところが、白いサルが探していた物は見つかっていないようです。そのことを気掛かりに思って、クラークが尋ねると、白いサルは顔を真っ赤にしてモジモジしてしまい……。
果たして白いサルが探しているものとは一体何だったのでしょう。そして、その探し物は見つかったのでしょうか。