この絵本の内容紹介
あのこにはなんともないことわたしにはちいさなかんどうそのこにはなんともないことあなたにはちいさなおどろき
ささいなものがたりでつながっているいまのくらし
CONTE 1.
壁に並んだスイッチを切り替えると……
……何も起こらない?
一体、何のためのスイッチなのでしょう??
CONTE 2.
太陽の光が大好物のサボテン達が、風のそよぐ屋上に並んでいます。
そのなかでも群を抜いて大きなサボテンが一つ。太陽がとびっきり大好きで、ついつい太陽に近づきたくて、みるみるうちに大きく育ったのです。
この大きなサボテンが倒れない理由は——
CONTE 4.
工場に勤めるロボット。
働き始めて110年が経ちました。
年季が入って燃費も悪くなったようで……最近は保存料や着色料が入った粗悪なオイルが増えたようで……長年続けてきた仕事がきつく感じるようになってきました。
この仕事もそろそろ潮時。
「ぼくにできること、他にも何かないかなぁ、、、」
そのようなことを思案しながら散歩していると——
この絵本のテーマは『暮らしは、ささいな物語がつながってできている』です。
6つのコント(寸劇、短いお話)で構成されており、それぞれが独立したコントのように感じますが、読み進めるうちに実は『つながり』があることに気づくことでしょう。
その『つながり』はささやかなものですが、そのようなささやかな『つながり』によって私達の暮らしは成り立っているのかもしれません。
何故だか心が温かくなるような読後感が得られることでしょう。
「今こうしていられるのは誰かの優しさのおかげかもしれない」
「今の暮らしがあるのは自分の努力の成果……だけでなく、偶然のおかげもあるのかもしれない」
「一見すると意味のないようなことでも、振り返ってみると意味があったのかもしれない」
——といったことを感じられます。何度も読み返すたびに、ささやかな『つながり』を発見し、そのたびに小さな喜びが生まれます。
その小さな喜びは、絵本冒頭の「わたしにはちいさなかんどう」ということなのかもしれません。