この絵本の内容紹介あらすじ

さぁ、冒険に出かけよう。

うまくいかないかもしれない。
でも、きっと、かけがえのないものが見つかる。

だれかに愛されていると気づかされる物語。

挿画はアクリル絵の具で描かれています。
息をのむほどに繊細で美しい世界を、ストーリーと合わせてお楽しみください。

*** STORY ***

カメのカメローは、男の子のお家で飼われている、四角いカメです。

お友だちのネコくんは、いつも、カメローのことをからかいます。

「やーい! かっちかち、のろのろ、四角い、カメロー! 悔しかったらここまでおいで」

窓の外を眺めては、カメローはため息をつきました。

「僕と同じような四角い形が、外にはいっぱいあるなぁ……。お友だちになれないかなぁ……」

そして……カメローはついに……

「僕、お友だちを探しにいくよ」

そんなことを言い出したのです。

「行けるもんなら行ってみな! 友だちなんて、オイラがいにゃ、できないはずさ」

ネコくんの減らず口を尻目に、カメローは窓の向こうへ。

「本当に行くの? 知らないぞ! 迷子になるぞ」

カメローが出ていく姿を見て、ネコくんは少し焦った様子です。

それもそのはず。外には危ないモノやコトが、いっぱいあるんですから。

そこから、カメローの初めての冒険が始まります。

でも……おやおや?

ネコくんが心配して、こっそりあとをつけてきていますよ。

カメローは、息をつく間もないくらい、たくさんのトラブルに見舞われます。

さて、いったいどうなってしまうのでしょう。

そして、カメローは「友だち」を見つけることができるのでしょうか。

*** 出版社からのメッセージ ***

本書は、第1回 CHICORA BOOKS キャラクター絵本 出版大賞「佳作」受賞作品です。

「クール&ドライなネコくんと不器用なカメローとの友情に胸アツでした(泪)」

「どうやって描いたかわからない美しすぎる絵に思わずため息が漏れました。心が温かくなる絵本作品でありながら、芸術作品でもあります。忘れられません」

以上は、審査にあたった人からのコメントです。

四角くて、鈍くて、不器用なカメロー。
そんなカメローにも、やっぱりあるんです。野心とか、冒険心とか。

心に抱いた夢。
やってみたいこと。
行ってみたいところ。

そういったものがあるならば、恐れずに一歩踏み出してみよう。

かならずしも「うまくいく」とは限らない。
大変な目にあうかもしれないし、踏み出したことを悔やむ瞬間もあるかもしれない。

でも、どんな結果になっても、きっとあなたの知らないところで、あなたを見守ってくれる人がいるから、だいじょうぶ。

行っておいで。そして、一緒に帰ってこよう。

そんな言葉を、我が子にかけたくなるような、物語です。
ぜひ、一度、絵本を手にとって、ネコくんと一緒にカメローの冒険を見守ってください。