この絵本の内容紹介あらすじ

じぶんより弱くて小さな命のために。

わたしにも、なにかできることがあるのかな?

図書館から子犬をもらうことになったマディ。命をあずかって育てることの責任について考えるようになりますが、そのとき、人から捨てられて居場所を失った小さな動物たちがたくさんいることを知りました。じっさいに動物たちが保護されているシェルターに行ってみると、動物が安心してすごせるようにするには、まだまだ人の手も、モノも足りないことに気づきます。小さないのちたちのために、なにかしたい。いてもたってもいられなくなりますが……。まだまだ子どもでなんの力もない自分にできることなんてあるのかな? いっしょうけんめい考えたマディが出した答えとは? 『わたしのそばできいていて』で、小さな命の存在に助けられた主人公のマディが、今度は助ける側に。読者の心もきっと、マディといっしょに成長していく‐‐‐そんな道標になるようなあたたかい絵本です。

【担当編集者からのコメント】
この本の主人公マディは、絵本『わたしのそばできいていて』の主人公でもあります。その絵本の中では、音読がうまくできず、学校でしんどい思いをしていたとき、図書館の犬にそっと寄り添ってもらったことで、自信をもって楽しく本が読めるようになったのです。本書では、そのマディが、人間に捨てられた犬たちに出会ったことで、今度は自分がその小さな命たちに向きあい、寄り添おうとします。もちろん、まだ子供ですから、たいしたことはできません。それでも、自分にできることを一生懸命考え、行動をおこすのです。自分より弱い存在の立場に立つこと、寄り添うこと、手をさしのべること−−−どれも、この世界で生きていく上でとても大切なことです。それを自ら手探りでやってのけるマディのたくましさ、優しさといったら! でも、たぶん、子どもにはみんな、そんな大きな力が備わっているのだと思います。子どもたちは絵本を読みながら、マディといっしょに考え、迷い、成長してくれるのではないでしょうか。『わたしのそばできいていて』の読者だったら、面白さと感動は倍増しますが、読んでいなくても、もちろん、じゅうぶん楽しめます。