この絵本の内容紹介あらすじ

大好きなおばあちゃんがくれたもの。どんなことがあってもかわらない、だいじな、だいじなもの。

形がかわっても、かわらないもの。目で見えなくなっても、かわらないもの――ほんとうにだいじなものは、きっと心の中にあるから。

アリーの大好きなもの――おばあちゃんと、おばあちゃんがつくってくれたぬいぐるみの「ちびうさぎ」。生まれたときからずっといっしょで、この先もずっといっしょだと思っていたけれど……あたりまえだと思っていたものをとつぜん失った少女が、永遠に変わらない大事なものに気づくまでを、少女の心によりそってやさしく描いた絵本。おばあちゃんがつくってくれたぬいぐるみのあたたかさと、おばあちゃんにぎゅっとしてもらったときのあたたかさ――あたたかさの源は同じものなんだと、肌で感じ、悟った少女は、おばあちゃんとの別れをしっかり受け止めて、前を向くことができるようになるのです。

【担当編集者からのコメント】
今暮らしている毎日はずっと続いていくような錯覚を、人は持ってしまいます。今いっしょにいる家族とも、ずっといっしょにいられる錯覚を持ってしまいます。でも、今の生活は必ず変わるし、家族ともいつかは必ず別れなければいけません。大事な家族との別れを受け止めるのは、とてもむずかしいこと。この絵本では、子どもたちがおそらく初めて体験することになるであろう、祖父母との別れを描いています。とても重くむずかしいテーマですが、子どもの気持ちにしっかりよりそって描くことで、とてもあたたかく、ときに、かろやかな気持ちで読むことができます。そして、今あたりまえのように自分のまわりにいる大事な人たちに思いをはせることができる――そんな絵本です。