この絵本の内容紹介あらすじ

はなかっぱ君は、おじいちゃんと小さな船に乗って、広い海へ冒険に出かけました。この冒険は、世界中の花を見て回る旅。島を見つけたはなかっぱ君達は、さっそく上陸することにしました。

絵本「はなかっぱのだいぼうけん」の一コマ

おじいちゃんも昔は、はなかっぱ君と同じように「とりあえずの花」が頭に咲いていました。そして、大人になると「自分の花」を決める必要がありました。

ところが、どの花にするか一つに決めなくてはなりません。そこで、おじいちゃんも若い頃に、今回の冒険のように世界中を見て回ったのです。世界中のすべての花を見てから「自分の花」を決めようと考えたのでした。

はなかっぱ君は「自分の花」を見てみたいという気持ちでいっぱい。あらゆる花を見て回ります。

ある花は布団のように大きかったり、ピカピカに発光する花だったり、踊り出す花だったり。崖の途中にしがみつくように咲く花もあれば、山の頂上にポツンと健気に咲く小さな花もあります。

絵本「はなかっぱのだいぼうけん」の一コマ2
絵本「はなかっぱのだいぼうけん」の一コマ3

乾ききった砂漠の真ん中に力強く咲いている花もあれば、石のように硬い花、透明の花、ちょこちょこ走り回る花もあります。さらには、怪獣の頭に咲いている花もあって、世界は不思議で溢れています。

そうして、たくさんの花を見て回ったはなかっぱ君。「自分の花」を見つけることができたのかと思いきや、たくさん見すぎて混乱してしまいます。ところが、家に帰り着いたはなかっぱ君が偶然に見たものは……。最後のオチにクスクスっと笑みが溢れます。

絵本「はなかっぱのだいぼうけん」の一コマ4

NHK Eテレのアニメでもおなじみのはなかっぱ君。わくわくどきどきの楽しいお話ですが、そのお話の中には大事なメッセージが詰まっているのかもしれません。

立派な大人になるためには、自分がどんな人間でどんな人間になりたいのかを知ることが大切です。そのためにも、自分の足で歩いて、自分の目で確かめて、自分の頭で考えて、そうやって葛藤しながら見つけていく、その過程を大切にすべきなのでしょう。

楽しいお話の中にも、そういった教訓が隠れているのかもしれません。