この絵本の内容紹介
お父さんの名前はオニガワラ・ケン。地獄カンパニーに勤めるサラリーマンの赤鬼です。このたび、閻魔大王の命令で出雲に出張することになりました。
出張の目的は日本中の神様が集う全国神様サミットのお手伝い。コートを羽織って、スーツケースを携えて、家族に見送られながら出発です。
「なあ オニガワラ 神さんたちの かいぎやのに、なんで オニやら ようかいやらが、てつだいに かりだされんと あかんねん。よういわんわ」
そう愚痴をこぼすのは同僚のオニジマ。今回の出張は、赤鬼オニガワラと青鬼オニジマのふたりで向かいます。
「しゃあないやん、オニジマ。えんまさまの ごめいれいやぞ。とにかく おれたち、じごくの だいひょうなんやから、ひとつ きばって いこやないか」
オニガワラはそう言って、冥界シティ・エアポートで出雲行きの飛行船に乗り込みました。
出雲行きの飛行船はヤマタノオロチ号。エコノミークラスの船内は乗客の妖怪達でごった返しです。
会場警備のお手伝い
ようやく出雲に到着すると、神集いの議長への挨拶から始まり、オニガワラとオニジマは会場警備のお手伝いを任されました。
会場警備は神様をそれぞれのゲートに案内したり、怪しい者がいないかを見張る仕事です。
——稲佐の浜は出雲の玄関口。海を渡って来る神様、空を飛んで来る神様、大勢の神様が押し寄せます。
田の神様と井戸の神様、水の神様は五番ゲート。火の神様は三番ゲート。貧乏神様は端っこの八十八番ゲート。オニガワラとオニジマは、そうやって大勢の神様を案内します。
ところが、警備の仕事は案内だけに留まりません。魔女やサンタクロースが出雲の上空を飛べば、通行禁止を伝えなければなりませんでした。
不審者登場!?
「おっ! なんや、あいつら? ツノ はえとるな。じごくからの すけっとか?」
「いや、いや。みてみろ、あんな きんぱつの オニ、じごくには おらんやろ。あやしいな」
オニガワラとオニジマは不審な二人組を見つけると、さっそく声を掛けました。
ところが、その二人組は強風を吹き荒らし、雷を鳴り響かせ……。全国神様サミットに現れた怪しい者の正体とは。
ピクトブック編集部の絵本談議
鬼達の出張は摩訶不思議な世界が広がってたね!
それに関西弁のセリフも相まってクスッと笑っちゃうよね!
でも、サラリーマンのお父さん達の苦労も伝わってくるような気がするよ!