この絵本の内容紹介あらすじ

朝が来ると清掃トラックがいろんなゴミを積んでゴミ島へと運んでいきます。ゴミの中には古くなったけどまだ使えるはずの物もたくさんあります。

一台の清掃トラックに積まれてぶつぶつとつぶやくのは掃除機のクリーナーおばさん。

「なぜ、このあたしがすてられなきゃならないのさ。そりゃ、ホースがすこしいたんで、ゆかをこするぶらしがちょっとすりへってしまいましたがね。でも、しんぞうのモーターはびくともしてないんですよ」

クリーナーおばさんもまだ使えるはずなのに古くなって捨てられてしまった電化製品の一つです。

クリーナーおばさんのそんなつぶやきも虚しく、他の電化製品やゴミと一緒にゴミ島へ放り出されてしまいます。

ゴミ島にはクリーナーおばさんと同じようにまだ使えるのに古くなって捨てられてしまった電化製品がたくさん。洗濯機のワッシャ、アイロンのプレスちゃん、冷蔵庫のブリザードおじさん、他の電化製品も諦めた様子で嘆いています。

諦めムードが漂うゴミ島ですが、クリーナーおばさんは諦めません。どこかでもう一度働いて見せると意気込んでいました。するとそのとき、空がピカッと光ると雷が落ちてきて電化製品に電気が通ります。

ゴミ島の電化製品たちは雷のおかげで命を吹き返すと動ける喜びでお祭り状態。でも、その喜びも長続きはしませんでした。いくら動けても働く場所がないのでは仕方がないことに気づいたのです。

落ち込む電化製品をよそ目に街中ではゴミ島のニュースで大騒ぎ。潰してスクラップにしないから電化製品が動き出したとかスクラップにするくらいなら海に捨ててしまえという声も挙がります。

静まり返ったゴミ島では再び空がピカッと光り、次は空からカミナリおばさんがやってきました。

掃除機のクリーナーおばさんをはじめ、他の電化製品の運命はどうなってしまうのでしょうか。
大量生産大量消費といった問題やゴミ問題をテーマに電化製品を主人公にしたユニークなお話です。捨てられてしまった電化製品たちを最後に待っているのはハッピーエンドな展開ですが、純粋に手放しに喜べないのがこの作品の特徴。物を大事にする大切さを今一度実感させてくれる絵本です。