この絵本の内容紹介あらすじ

釣りざお担いだおさるさんがやってきたのは、海のそば。「さあ、うみのさかなをつるぞ」と釣りざおを垂らしていると、大きなたこが引っかかりました。大きなたこも、「おまえなんかにつられてたまるか」と糸をぐーんと引っ張ります。おさるとたこが釣りざおを引っ張り合ううちに、海と山との負けられない戦いが始まったのでした。

引っ張り合ううちに相手の力に負けそうになると、「おーい、だれかきてくれ」と自分の仲間をそれぞれ呼んでいきます。山のチームは、さる、うさぎ、たぬき、くま、とら…海のチームはたこ、たい、ひらめ、まぐろ、さめ…とどんどん仲間が増えていき、糸がピンと張ってまったく動かなくなって……。

最後はお決まりのオチといった感じですが、小さなお子さんはきっと気に入ってくれるはず。「おおきなかぶ」のようにつぎつぎに仲間を呼ぶという繰り返しのお話ですが、そうやって繰り返されるごとに綱引き勝負の緊張感が高まっていきます。そして最後のオチでしっかり緊張感から解放されるところは、絵本ならではの心地よさを感じることができるでしょう。

山の掛け声は「やっせわっせ」海は「えんやさのよいやさ」というところも、違いがあって面白いですよね。読み聞かせするときは、ぜひ山と海の声を使い分けてくださいね。見ているこちらまで、思わず応援している気分になってきます。登場する生きものたちも、ほどよくリアルに描かれていて子どもたちにも馴染みやすいイラストです。