この絵本の内容紹介あらすじ

森の近くの家の蔵にねずみのおばあさんが住んでいました。

春が近づくある日の朝、ねずみばあさんのところに一通の手紙が届きます。
差出人は、森の野ねずみ子ども会。手紙の内容は、森のひな祭りを開きたいので、お雛様を森に連れきてほしいというものでした。

ねずみばあさんが手紙を声に出して読み終えると、ひな祭りの道具一式が入った箱から声が聞こえました。
「まいりましょう」「まいりましょう」「もりのひなまつりをいたしましょう」
なんと、声の主はお雛様でした。ねずみばあさんが箱を開けると、お雛様やお内裏様、五人囃子など、雛人形たちがぞろぞろ出てきました。

絵本「もりのひなまつり」の一コマ

ねずみばあさんを筆頭に雛人形たちは、森を目指してゆるりゆるりと出かけて行きました。
ところが、あんまりゆったりと歩くものですから「本当に森まで辿り着けるのかしら」っとねずみばあさんは心配になります。

ねずみばあさんが心配していると、野ねずみ子ども会の子ねずみたちがぞろぞろと迎えにやってきたのです。
子ねずみたちは、雛人形を木枠の乗り物に乗せると、それを担いで森へとすいすい向かいます。

ひな祭りの噂を聞きつけた動物たちもやってきます。
五人囃子が楽器を弾くと宴の始まりです。雛人形も動物たちも歌って踊って楽しいひと時を過ごすのでした。

絵本「もりのひなまつり」の一コマ2

あたりが暗くなってくると、ひな祭りもこれでお開き。ねずみばあさんと雛人形は、子ねずみに担がれ帰っていきます。
ところが大変、帰りの道中、雪が降り始めたのです。なんとか蔵に帰り着いた一行は、やっと一安心……したのもつかの間。雛人形はすっかり汚れてしまっていたので、これでは家のひな祭りに出してもらえません。

お雛様が泣き悲しんでいると、ねずみばあさんは蔵から道具や材料をかき集め、雛人形の手直しに奮起するのでした。

ねずみばあさんのさすがの手仕事。雛人形は無事にひな祭りに出してもらえるのでしょうか。

小さな雛人形と小さな動物たちの愉快な世界観が楽しいファンタジーなお話です。