この絵本の内容紹介
昔、赤い手ぬぐいを被った奥さんがいて、「あかてぬぐいのおくさん」と呼ばれていました。あかてぬぐいのおくさんは、針仕事がとっても上手でした。
奥さんの部屋には、針仕事の道具がいつも7つ。物差し、ハサミ、針、糸、指ぬき、熨斗ごて、火熨斗がありました。
ある日、奥さんがうたた寝をしていると、道具達が話し始めます。まず最初に口火を切ったのが、背の高い物差し夫人です。奥さんが針仕事を上手にできるのは、自分が寸法をきちんと測っているからだと言い、自分こそが針仕事で一番大事な存在だと主張します。
ところが、それに黙っていないのがハサミお嬢さんです。いくら綺麗に測れても布を切れなければ意味がないと言い、自分こそが一番大事な存在だと主張します。
物差し夫人やハサミお嬢さんが主張を始めると、他の道具達も黙ってはいられません。針娘や糸姉さん、指ぬきばあちゃんや熨斗ごて乙女、最後は火熨斗姉やと続きます。自分こそが針仕事で一番大事な存在だと主張し合い、話がまとまることはありません。
その騒動に目を覚ました奥さんは、自分の腕がいいから針仕事が上手にできるのだと大きな声で怒ってしまいます。それから、7つの針道具達を裁縫箱に放り込むと、奥さんはまた寝てしまうのでした。
針道具達は自分の存在がちっぽに感じて落ち込んでしまいます、ところが、奥さんが大粒の涙を流しながら眠っているので7人の道具達はびっくりします。
奥さんは、どうして大粒の涙を流していたのでしょう。この絵本は、仲間で助け合うことの大切さを描いたお話です。誰一人欠けても上手な針仕事はできないのです。