この絵本の内容紹介
遊ぶ友達を探しますが、今日に限っては誰もいません。友達を探しに神社まで行きますが、それでも誰もいません。不愉快なかんたは、大声でめちゃくちゃな歌を歌って気を紛らわせました。
「ちんぷく まんぷく あっぺらこの きんぴらこ じょんがら ぴこたこ めっきらもっきら どおんどん」
すると突風が吹き、風に乗って奇妙な声が聞こえてきました。耳を澄ますと「こっちゃこい こっちゃこい、こっちゃきて うたえ」という声が、大木の根っこの穴の中から聞こえてきます。
その穴の中をかんたが覗き込むと……。途端に穴の中に吸い込まれ、夜の山に迷い込んでしまいました。
そして、向こうのほうから変な三人組が飛んできます。その三人組は「もんもんびゃっこ」と「しっかかもっかか」と「おたからまんちん」という妖怪。かんたのもとにやってくると、三人組が一緒に遊ぼうと言いました。
ところが「いやだっ!ばけものなんかとあそぶかい」とかんたが全力で断るので、三人組は大声で泣き崩れてしまいます。しまいには誰が最初に遊ぶかで勝手に喧嘩を始めてしまいました。かんたは仕方なく、「やめろっ、じゃんけんだ」と叫びました。
その言葉にすっかり大人しくなった三人組。喧嘩をパタッと止めて、素直にジャンケンを始めました。
最初にかんたと遊ぶのはしっかかもっかか。ふたりは首に風呂敷を巻いて、モモンガのように木から木へと飛びました。かんたもすっかり遊びに夢中です。
次にかんたと遊ぶのはおたからまんちん。お宝交換でビールの王冠と不思議な水晶を交換しました。交換してもらった水晶をかんたが覗き込むと、その中には海が詰まっています。
最後にかんたと遊ぶのはもんもんびゃっこ。縄跳びに夢中になって135回も跳びました。山を蹴飛ばして、月を引っ掛けるほどの縄跳びです。
気づけば三人組との遊びに夢中のかんた。今度は空飛ぶ丸太に乗って、めちゃくちゃな歌をみんな一緒に歌います。
そうしてたくさん遊ぶとお腹が空きます。お餅のなる木を見つけて、お腹いっぱいに食べました。そのお餅はふわりと甘くて頰が落ちそうなほどです。
お腹いっぱいになると今度は眠くなるもの。三人組はぐっすりと眠ってしまいました。一方、かんたは一人で月を見つめています。そして、月を見つめているうちに段々と心細くなってきて……。