この絵本の内容紹介あらすじ

いちご畑の地面の下に、小さなおばあさんが住んでいました。おばあさんの仕事は、いちごを赤く染めることです。

ある年のこと、まだまだ春は先だというのにポカポカ陽気の天候です。雪が降る代わりに雨が降り続き、なんだかおかしな天気が続きます。

不思議に思ったおばあさんが、100段の階段を汗を流しながら上り、いちご畑の様子を見に行くと……見渡す限りに青々とした葉っぱを広げていました。

葉っぱがこれだけ伸びていると花が咲くのも時間の問題。花が咲けば実もなって、そうするとおばあさんの仕事も忙しくなります。

おばあさんは慌てて階段を駆け下りると、いちごを赤く染める準備に取り掛かります。おばあさんは染料を作る仕事場に行き、水瓶の中を覗き込みます。

いちごの染料は、お日様の光をたっぷり吸い込んだ水です。木の根っこを伝って、水瓶に溜まるようになっています。ところが、水瓶の中を覗き込むと、その水はまだまだ足りません。

困ったおばあさんは、水桶を肩に担いでトンネルを降りていきます。それから湧き水を汲み上げ、その水にお日様の光を吸い込ませようと階段を上って地上を目指します。

おばあさんは、重たい水桶を担ぎながら階段を上ったり降りたり。それを何度も繰り返し、とても大変な作業が続きます。

いちごの花が咲き始めると、おばあさんはさらに慌ただしく作業を続けます。水が溜まると、次は土の中から緑の石を掘り出す力仕事が始まりました。昼も夜も一生懸命に土の中を掘り続けるおばあさん。その間に、いちごの実はとうとう実り始めるのでした。

突然の異常気象のなか、小さなおばあさんはいちごの染料を作り上げることができるのでしょうか。そして、美味しそうな真っ赤ないちごに染め上げることはできるのでしょうか。

絵本「いちごばたけのちいさなおばあさん」の一コマ

土のなかに住む小さくて不思議なおばあさんの慌ただしい仕事の様子を描いた絵本です。