この絵本の内容紹介
青空幼稚園にも芋掘りの季節がやってきました。いよいよ明日は、待ちに待った芋掘り遠足です。
ところが翌朝、雨が降ったので遠足は一週間延期となってしまいました。楽しみにしていただけに子ども達はがっかり。傘を差して、長靴を履いて、合羽を着てでも芋掘り遠足に行きたい子ども達。「つまんない つまんない」と鬱憤が溜まります。
「だいじょうぶ だいじょうぶ おいもはね 1つ ねると むくっと おおきくなって 2つ ねると むくっ むくっと おおきくなって 3つ ねると むくっ むくっ むくっと おおきくなって 4つ ねて 5つ ねて 6つ ねて 7つ ねると いっぱい おおきくなって まっててくれるよ」
先生がそう言って子ども達をなだめると……子ども達の想像が広がっていきました。
「そのおいも こーんなに おおきくなってるかな?」
「ちがう こーんなに おおきいんだ」
「ちがう ちがう こーんなに いーっぱい おおきいんだ」
競うように想像を働かせる子ども達。今度は、その想像を描くことにしました。絵の具と筆を用意して紙を繋ぎ合わせると、さっそく芋を描き始めます。
描いては紙が足りず、紙をさらに繋ぎ合わせては描き、それを何度か繰り返してようやく完成です。子ども達の描く芋は、驚くほどにとてもとても大きいものでした。
子ども達の遊びは描いて終わりではありません。これほど大きな芋をどうやって掘り出そうかと想像が広がります。
スコップで掘ってみたり、綱引きのように力を合わせて引っ張ったり。そうして、ようやく芋を掘り起こすと、今度は運び方を考えます。
バスに載せようとすると重くて走れません。しまいには屋根が潰れてしまいます。トラックはどうだろうか、ダンプカーはどうだろうかと考えます。そして最後に思いついたのは、ヘリコプター二台を使って空中から運ぶこと。
空中輸送で幼稚園に運びますが芋は泥だらけ。そこで今度は、みんなで力を合わせて芋を洗います。梯子を掛けて、ホースを使って、上から下から一生懸命に洗います。
子ども達の想像は、まだまだ尽きることがありません。大きな芋を船に見立ててプールに浮かべたり、恐竜に見立てて芋に装飾したり。一通り遊び終わると今度は食べる番です。これほどに大きな芋を子ども達はどうやって食べるのでしょうか。
食べ終わった後も子ども達の想像は尽きません。みんなで一緒に愉快で楽しい一つの物語を紡ぎだします。