この絵本の内容紹介
ある冬のこと。
野ねずみのぐりとぐらが、森で雪合戦をして遊んでいると——大きな足跡を発見しました。
その足跡は、キツネのものでもクマのものでもなさそうです。二匹は不思議に思って、さっそく足跡を辿ってみることにしました。
ぐりとぐらは、森を抜けて、原っぱを通って、林のほうへと歩いていきました。すると、林の入り口に一軒の家がありました。
「なんだか みたことのある ばしょだね」
それもそのはず。辿り着いたのは、ぐりとぐらの家だったのです。驚いたことに、足跡は玄関へと続いていました。
謎の訪問者
ドアを開けると、玄関には大きな長靴がありました。壁には真っ赤なオーバーコートと真っ白なマフラー、さらには真っ赤な帽子が掛けられていました。
暖炉の前には手袋と靴下までも干してあり、部屋の隅には大きな袋も置いてあったのです。
「おきゃくさまは、いったい どこだろう」
ぐりとぐらは首を傾げながら、寝室やお風呂を見て回りました。けれども、お客さんの姿はどこにもありません。
そんなとき、突然と美味しそうな匂いが台所から漂ってきました。二匹は息を深く吸い込み、焼き菓子の匂いに食欲をそそられるのでした。
正体はサンタクロース!?
「だけど、おかしいな」
ぐりとぐらの疑問は深まるばかり。お客さんの正体を確かめようと台所へ急ぎました。
すると、目の前に赤いズボンを履いた白いヒゲのおじいさんが一人、焼き立てのケーキを持って立っていました。
「クリスマス おめでとう」
おじいさんはそう言うと、慌ただしく身支度を始めました。靴下を履いて、マフラーを巻いて、オーバーコートを着て、帽子を被って、手袋をはめて、最後に大きな袋を肩に担ぐと、その姿は……。
ピクトブック編集部の絵本談議
謎のお客さんは、サンタクロースだよね!
そうそう!
なんだか心和むようなクリスマスのお話だね!
それにしてもサンタクロースがケーキを焼いてくれるなんて羨ましいよ。一体、どんな味がしたんだろう。