この絵本の内容紹介
ラチという男の子は世界で一番の弱虫。犬を見ると怖くて逃げ出し、暗い部屋には怖くて入れません。
おまけに、お友達を怖がって馴染めないのでいつもひとりで絵本を読んで過ごしています。
ラチは、絵本に出てくる雄々しいライオンの絵が大好き。こんなライオンが一緒にいたら怖いものなんて何もないのに……とラチは思うのでした。
そんなことを考えていると、ある朝、目が覚めてびっくり!部屋にライオンがいるではありませんか!
でも、このライオンは小さくて可愛らしい赤いライオン。ラチが想像してた雄々しいライオンではありませんでした。
「こんなちっぽけならいおんじゃ、なんのやくにもたたないじゃないか」っとラチは大笑い。すると、小さなライオンは怒ってしまいます。
小さなライオンは、強いところを見せようと、片手で軽々と椅子を持ち上げ、それから、ラチに飛びかかると押し倒します。そして、小さなライオンは、ラチを強い男にすることを約束するのでした。
小さくても強いライオンがいつも一緒にいるので怖そうな犬がいても逃げ出しません。暗い部屋でもライオンが一緒なので安心です。
ラチは、小さなライオンのおかげで少しずつ強くなっていき、ある日、小さなライオンにとうとう相撲で勝つほどまでに成長します。そして、自信をつけたラチはお友達のところに出かけていきます。
でも、お友達はみんなしょんぼりしています。理由を聞くと、のっぽの男の子にボールを取られてしまったと言うのです。ラチは、小さなライオンが一緒にいるので安心です。ボールを取り返しに行くのでした。
のっぽの男の子から夢中でボールを取り返したラチですが、ふと気づくとライオンの姿がありません。ライオンが一緒にいてこそのラチと思いきや、勇気を振り絞れば、ライオンがいなくても怖いものに立ち向かえたのです。
勇気を振り絞ることは簡単なことではありませんが、きっかけさえあれば勇気を振り絞ることができるようになるというお話です。
実際には朝起きても小さなライオンがいることはないでしょうが、この絵本が勇気を与えてくれるきっかけになるのではないでしょうか。