この絵本の内容紹介
昔、あるところにお爺さんとお婆さんが住んでいました。お爺さんは山へ芝刈りに、お婆さんは川へ洗濯に出掛けます。
ある日、お婆さんが川で洗濯をしていると、川上から桃が流れてきました。その桃を拾って食べてみると、お婆さんの口の中に甘みが広がります。
「うーまい ももっこ、こっちゃこい。にーがい ももっこ、あっちゃゆけ」
お婆さんは、お爺さんにも食べさせてあげたいと思ってそう言うと、川上から大きな桃が流れてきました。そして、その桃を拾い上げて家に持ち帰りました。
日が暮れた頃にお爺さんが帰ってくると、二人はさっそく拾った桃を食べることにします。ところが、その桃を割ろうとしたそのとき、中から男の子が生まれてきました。二人はこの不思議な出来事に驚きながらも、桃から生まれた男の子に「ももたろう」と名付けるのでした。
桃太郎は、ご飯を一杯食べれば一杯分だけ大きくなり、二杯食べれば二杯分だけ大きくなり……。そうして力持ちで賢い子どもに成長しました。お爺さんもお婆さんも桃太郎が可愛くて仕方がありません。「ももたろうや、ももたろうや」と言って暮らしていました。
そんなある日、一羽のカラスが桃太郎のもとを訪ねます。そして、鬼ヶ島の鬼達が悪さをしていると伝えました。桃太郎はその話を聞くと、さっそく鬼ヶ島の鬼退治に出掛けることにしました。お爺さんとお婆さんは、そんな桃太郎を止めようとしましたが、「いいや、いいや、おら、きっと、かてるから」と言って聞きません。
二人は、仕方なく桃太郎を送り出すことにして、きび団子と刀と「にっぽんいちの ももたろう」と書かれた旗を持たせ、袴も着せました。
鬼ヶ島へ向かう道中、桃太郎は犬と猿とキジに遭遇し、きび団子と引き換えにお供させました。そうして、山を越えて、谷を越えて、海を越えると、いよいよ鬼ヶ島に到着します。桃太郎一行と鬼達の戦いの行方は……。
誰もが聞いたことのあるお話ですが、意外と絵本を読んだことのない人が多くいます。お話がお馴染みすぎることに加えて、新しくて面白い絵本が次々と出版されることもあって、ついつい選択肢が外れてしまっているのかもしれません。たまには立ち戻って日本の昔話を楽しんでみてはいかがでしょう。