この絵本の内容紹介
お父さんとお母さんと坊やの静かなハリネズミの家族は、真夜中に散歩に出かけました。
ハリネズミの家族は、秋の小道を静かに歩きます。森の鳥や獣達はぐっすり眠っているので散歩道は安心。かと思いきや、そんな真夜中に目を覚ましている獣もいるのです。
二匹の狼は、ハリネズミを見つけると静かに静かに忍び寄ります。でも、狼達の存在に気づいたハリネズミのお父さんとお母さんは体の針を逆立てて丸まります。ハリネズミの坊やもお父さんとお母さんを真似して体を丸めるのでした。
ハリネズミの家族は頭も足もすっかり隠して丸まったので、狼達は容易に手を出すことが出来ません。周りをぐるぐる回って唸ったり、跳び跳ねたり、つついてみたり。様々な方法で威嚇する狼ですが、ハリネズミは依然と針を逆立てて丸まっています。
ところが、ハリネズミの坊やの針はまだ先端が丸いのです。坊やは、狼達の標的になってしまいます。一匹の狼がハリネズミの坊やを転がし始めると、ハリネズミのお父さんとお母さんが狼の足を目掛けて針を突き立てます。
ハリネズミのお父さんとお母さんの針は、坊やの針とは違って松葉のように尖っているので、その針で刺された狼は悲鳴を上げて退くのでした。
痛い目を見た狼たちですが、それでもハリネズミを諦めることが出来ません。針を逆立て丸まっているハリネズミの周りをぐるぐる回って威嚇します。
そんなとき、遠くの森で猟銃を発砲する音が鳴り響き、犬がけたたましく吠える音が聞こえ……。
三匹の静かなハリネズミの家族は無事に家に帰りつくことができるのでしょうか。真夜中の森で繰り広げられるハリネズミと狼の攻防に静かな緊張感が伝わってきます。