この絵本の内容紹介あらすじ

北海道の中心部あたりに連なる山々は大雪山と呼ばれており、その頂上近くにはエゾシマリスが生息しています。

リスは木の上で暮らしていると思われがちですが、エゾシマリスが暮らすのは地面の下。エゾシマリスも木を登ることはありますが、木の上に巣を作るわけではありません。土を掘って地面の下にいくつもの部屋を作り、そこで暮らしているのです。


大雪山の斜面では、雪解けを合図に一斉に花が咲き始めます。それはまるで天国のような眺めであり、そのお花畑の広がる景色を求めて、毎年大勢の人が遠方から訪れます。

一方、エゾシマリスにとって、その花々は貴重な食料。エゾシマリスは種子や木の芽を食べるだけでなく、花の蜜を舐めたり、時には花を丸ごと食べることもあります。

エゾシマリスの子ども達にとって、お花畑は学校のような場所でもあります。少し遠くまで探検したり、食べられる植物を学んだり、時には遊び疲れて昼寝をしたり……。こうして夏の終わりまでには自分だけで生きていく力を身につけるのです。


大雪山にはエゾシマリスの天敵も生息しています。

ノスリ(タカの一種)やエゾクロテン(イタチの一種)やキタキツネにとって、エゾシマリスはご馳走なのです。

そして、大雪山にはエゾシマリスのライバル達も生息しています。

同じような場所に巣を作る動物や同じようなものを食べる動物は、時として喧嘩することも……。

石や岩の隙間に巣を作るエゾナキウサギやハイマツの実が大好物のギンザンマシコ(スズメの一種)に遭遇すると、突然と追い払われることもあるのです。


大雪山の秋の訪れは日本一早く、山の頂上にうっすらと雪が積もり始めると、エゾシマリス達は冬眠の準備を始めます。

木の実や草の種を夢中になって食べたり、頬袋に食べ物を詰め込んで巣穴に運んだり、暖を取るための落ち葉やコケを集めたり、エゾシマリスは大忙し。

絵本「エゾシマリス」の一コマ
絵本「エゾシマリス」の一コマ2

果たして冬眠の準備は終わるのでしょうか。そして、無事に春を迎えることはできるのでしょうか。


この絵本にはエゾシマリスの生態が写真とともに綴られています。春・夏・秋・冬と変化していく季節とともに、エゾシマリスの暮らしを覗いてみましょう。

巻末にはエゾシマリスに関するQ&A(エゾシマリスのこと、もっと知りたい!)付き。

エゾシマリスのこと、もっと知りたい!
Q1.エゾシマリスは大雪山にしかいないの?
Q2.北海道には、どんなリスがいるの?
Q3.エゾシマリスの体の特ちょうは?
Q4.エゾシマリスの赤ちゃんはいつ生まれるの?
Q5.エゾシマリスはどうやって子育てするの?
Q6.エゾシマリスはお父さんも子育てするの?
Q7.巣穴の中はどうなっているの?
Q8.エゾシマリスはなぜ引っこしをするの?
Q9.エゾシマリスは植物しか食べないの?
Q10.なぜ冬眠するの? ずーっとねむっているの?
Q11.土にたねをうめるのはエゾシマリスだけなの?

絵本「エゾシマリス」の一コマ3

写真絵本『山の園芸屋さん エゾシマリス』可愛いエゾシマリスの動画