この絵本の内容紹介
青い世界と言われる海。そこには色とりどりの生き物達が暮らしています。
中でも南のサンゴ礁で暮らす生き物達は、種類も多く鮮やかです。と言っても、東京や大阪などの近くの海にも鮮やかな魚がたくさんいます。
どうしてこのような色や模様になったのでしょう。
色や模様が親子で違う魚
成長過程で色や模様が変化する魚もたくさんいます。親と子で全然違う魚に見えますが、それは縄張りを守るためだと考えられています。
同じ種類の魚は、食べるエサが同じです。そして、同じエサを同じ場所で確保するのは困難です。
縄張りの中でエサを確保するためには、同じ種類の魚を縄張りから追い出す必要があるのです。
幼魚の色や模様が成魚と違うのは、縄張り争いで同種の成魚に攻撃されないようにするためです。
警告色で脅す魚
モンガラカワハギは、サンゴ礁の中でも目立つ魚。黄色の口や背中の網目状の斑紋が特徴的で、強力な歯を持っています。
この魚は海底に産卵する場所を作り、卵が孵るまでその場を離れません。卵を保護中に他の魚が近づくと、襲いかかって追い払います。
モンガラカワハギに一度でも襲われた魚は、この派手な色や模様を忘れることはないのでしょう。
同じ仲間の色と模様
魚の特徴的な色や模様は外敵から身を守るためという場合が多い一方、仲間とのコミュニケーションのためという場合もあります。
日本で見られるチョウチョウウオは約50種類も存在します。そして、同じ種を見つけるためには模様が必要です。生き物にとって、色や模様はコミュニケーション手段の一つでもあるのです。
この絵本に登場する海の生き物は80種類以上。陸上では決して見かけることのないような鮮やかな色や不思議な模様の生き物達が盛り沢山です。これらの生き物達の生態が、写真とともに綴られています。
巻末では、本編の内容をさらに深掘りし、海の生き物達の生態を解説します。