この絵本の内容紹介
命は「いただきます」と「ありがとう」でできている
人間、草、牛。さまざまな命の始まりと終わりの場面から、この物語は始まります。草を食べる牛。牛を食べる人間。命は、他の命とのかかわり合いの中で存在していることがわかっていきます。わたしたちの体は、動物や植物などの命=食べ物によって作られている。心もまた、日々出会うさまざまな人々=命によって、豊かになっていく……。
そして、このことを思い出させてくれる言葉として、「いただきます」「ありがとう」という2つの言葉が登場します。命への感謝を示すこれらの言葉に、じつは、命が大切な理由のすべてが凝縮されていたのです。
でも、物語はここで終わりません。つらいことがあり、「ありがとう」を言えなくなってしまった男の子が、図書館で一冊の本を手にします。本のタイトルは「心の箱」。「心の箱」とは、いったい何なのか。男の子は、無事に「ありがとう」の気持ちを取り戻すことができるのか……。
身の回りの命を大切に思う心とともに、自分の命を救う方法も学べる、現代を生きる子どもたちにぜひ読んでもらいたい一冊です。