この絵本の内容紹介あらすじ

大むかしに山どうしがお相撲を取っていたというファンタジーのお話です。

ある日、桜島が日本一の山・横綱の富士山に挑戦したいと言います。
ふたつの山は、まわしをしめて準備万端、関ヶ原をめざします。

ほかの山たちもふたつの山の大勝負に集まってきます。行司をするのは、伊吹山です。
塩をまいて、しこをふんで、大一番の始まりです。桜島は一生懸命に横綱富士山に立ち向かいます。

相撲の白熱する取り組みの様子が熱量を帯びて描かれています。
寄ったり寄られたり、吊りあげようとしたり、土俵際に追い込まれたらすっとよけたり、まるで本物の対戦を見ているようです。
富士山と桜島の白熱する勝負は手に汗握ること間違いなし。

しこをふむ、しおをまく、まわしをしめる、軍配などの相撲ならではの言葉がたくさん出てきますから、お相撲通のお子さんになれそうですね。

そして、富士山は大きく、活火山の桜島は元気で黒く小さくと、かわいらしいイラストの中に山の特徴がきちんと捉えられています。ちなみに桜島は鹿児島弁で、行司をつとめる伊吹山は関ヶ原にある山、と細かい設定にこだわりを感じますね。
お子さんが日本の自然や地理に興味を持つエッセンスがお話の中にいっぱいです。

勝負のゆくえにドキドキする展開が、小さなお子さんにも親しめますし、読み聞かせにもってこいです。読み終わったら、お子さんがお相撲ごっこを楽しみそうな一冊です。