この絵本の内容紹介
まるちんは、ある町で靴屋を営みながら慎ましく暮らしていました。
まるちんの暮らす地下室の小さな部屋には、小さな窓が一つだけ。窓からは行き交う人々の足だけが見えます。
まるちんは、その行き交う人々の履き物を見ただけで誰が通ったのか分かりました。
なぜなら、まるちんが作ったり直したりした見覚えのある履き物ばかりだったのです。
まるちんは、朝から晩まで一生懸命に靴と向き合います。優しく丁寧に仕上げられた靴達は、どれもいい靴ばかりです。
まるちんは、地下室の小さな部屋で独り暮らし。一生懸命に働く一方、実は悲しい気持ちを抱えながら暮らしていたのです。
妻にも子どもにも先立たれ、孤独を感じる日々。何とも言えない寂しく悲しい気持ちでいっぱいでした。
そんなある日、まるちんは聖書を読み始めました。それ以来、神様の言葉が詰まった聖書を毎晩夢中で読むようになったのです。神様の言葉に触れると、まるちんは安らかな気持ちになるのでした。
「まるちん まるちん あした いくから まっておいで」
ある晩、まるちんは夢の中でキリスト様の声を聞きました。
朝になると、窓の外ばかり気になるまるちん。本当にキリスト様が訪れるのだろうかと切実な想いで胸がいっぱいです。
窓の外では、雪かきに疲れたおじいさんがぼんやりと立っています。まるちんは、温かいお茶をご馳走しようとおじいさんを家に招くことにしました。
他にも、貧しい母子を見かけては温かくもてなし、おばさんに怒られる男の子を見かけては仲裁に入ったり。窓の外を気にしていると様々な人に遭遇するまるちんですが、夢にまで見たキリスト様に会うことができたのでしょうか。
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