この絵本の内容紹介
青君はパパとママと仲良く暮らしており、お友達もたくさんいます。
なかでも、黄色ちゃんとは大の仲良しです。
——ある日、青君はお留守番を頼まれますが、黄色ちゃんと遊びたくなって、外に出掛けてしまいました。
けれども、通りの向かいの黄色ちゃんの家には誰もいませんでした。青君はあちこちを探して、ようやく街角で黄色ちゃんを見つけました。
ふたりは出会うと嬉しくなって、青君の青と黄色ちゃんの黄色が互いに混ざり合いました。そうして、青君と黄色ちゃんは一つの緑になったのです。
緑の子は誰?
青君と黄色ちゃんは公園に行って、トンネル潜りをしたり、オレンジちゃんと駆けっこをしたり、小山を登って遊びました。そうして遊び疲れると、青君と黄色ちゃんは家に帰りました。
ところが、青君と黄色ちゃんは混ざり合って一つの緑になっています。青君の家に帰っても「おや この みどりのこ うちの あおくんじゃないよ」とパパもママも言いました。今度は黄色ちゃんの家に帰りますが「おや この みどりのこ うちの きいろちゃんじゃないよ」とパパもママも言いました。
青君と黄色ちゃんは悲しくなって、大粒の青い涙と黄色い涙を流しました。泣いて泣いてそれでも泣いて、ふたりが全部涙に変わると……。
ピクトブック編集部の絵本談議
この絵本は、著者であるレオ・レオニが孫達にお話をせがまれて偶然できた作品なんだ♪
それに、アメリカでは大人達の間でも好評を博したみたいだね!
青と黄色が混ざり合って全く違う緑色になるというこの物語は、人と人の心の融和を暗示したものと考えられたそうだよ。
多民族国家ならではの背景も影響してるんだろうね。でも、この価値観って日本人でも大事にしたいことというか、普遍的なテーマにも感じるなぁ。
この絵本の翻訳を担当した藤田 圭雄氏の言葉も印象的だったな。こう語ったんだんって!
「子どもと語るにはファンタジーが必要だが、そのファンタジーというものの、ほんとうの姿を、こんなに純粋に示してくれた本をわたしは知らない。」
たしかに純粋に示されている気がする! 絵具で描かれた青や黄色の丸が生き生きと暮らす、その様子がシンプルに綴られてるからね♪