この絵本の内容紹介あらすじ

コウモリのルーファスは、日が暮れるまで洞穴の天井にぶら下がって眠っています。

そして、夜になると洞穴から出てきて、ご馳走を探すために外を飛び回ります。

そんなある夜のこと、原っぱで野外映画会が行われていました。

ルーファスはカラー映画の上映を初めて見かけますが、同時に、明るく綺麗な色を初めて目の当たりにしました。

灰色と黒色に塗りつぶされた夜の世界で暮らしていたルーファス。鮮やかな色のある世界はこれまで無縁だったのです。

カラー映画の鮮やかな色に感動したルーファスは、夜と対照的な昼の世界に憧れを抱き、眠るのを我慢して朝がくるのをじっと待つことにするのでした。

日が昇り始めると、その美しい光景にルーファスは見惚れてしまいます。眩しいくらいに色が溢れた世界では、鮮やかな鳥達が優雅に飛び回り、鮮やかな花々が咲き誇っています。

ところが、感動は束の間、色鮮やかで素敵な世界を目の当たりにして、ルーファスは自分の真っ黒な姿にうんざりしてしまいました。

そんなとき、偶然にも原っぱに忘れられた絵の具箱が……。ルーファスはその絵の具箱を見つけると自分の体に色を塗り始めるのでした。

耳は赤く、爪は青く、足は紫、そして、お腹に緑の星を描いたルーファスは、今までとは見違えるほどに色鮮やかになったのです。

ルーファスはそんな自分の姿にご機嫌になると、太陽がさんさんと輝く世界に飛び出していくのでした。

一方、物珍しいルーファスの姿を見た人間達は驚きを隠せません。しかも、人間達はルーファスを捕まえようと銃口を向けました。

そうして、ついには銃で撃たれてしまうルーファス。大怪我をして、蝶のコレクターとして有名なタータロ先生の家の庭に落ちてしまうのでした。

そして、タータロ先生に拾われたルーファスは……。


暗い世界でしか生きていくことのできないルーファスに切なさを感じたり、タータロ先生との交流に心が温かくなったり、様々な感情が込み上げてくるお話です。