この絵本の内容紹介あらすじ

僕のおばあちゃんは、キックボクシングの世界おばあちゃん級チャンピオンです。

一方、僕のおじいちゃんは、おばあちゃんのトレーナーです。

おじいちゃんは、キックボクシングの試合でおばあちゃんの調子が上がるようにと毎日毎日考えています。

おばあちゃんは、自分がチャンピオンになれたのは、そんなおじいちゃんのおかげだと思っています。

絵本「ぼくのおばあちゃんはキックボクサー」の一コマ

今日も朝からミットでビシバシッと受け止める音が聞こえてきました。パンチやキックを繰り出すおばあちゃんの背中からは湯気が上がっています。それをミットで受け止めるおじいちゃんの背中からも湯気が上がっています。

絵本「ぼくのおばあちゃんはキックボクサー」の一コマ2

そうして、試合一ヶ月前に迫ると、おばあちゃんとおじいちゃんは仏壇に手を合わせてぶつぶつ言っています。

その間、ぼくは写真を見ていました。写真にはタイでキックボクシングの修行をしていた頃のおばあちゃん達が写っています。

絵本「ぼくのおばあちゃんはキックボクサー」の一コマ3

ある日、おばあちゃんが誕生日を迎えると、孫達が集まってきました。

僕のお父さんは六人兄弟なので、孫は数え切れないほど大勢います。

そうして孫達が帰ってくると、おばあちゃんは『キックボクシングあいうえお体操』を決まってやります。

大きな声で「あいうえおおかみきたって かきくけこわくはないぞ」と言いながら右足でキックすると、孫達もあとに続いて真似します。

今度は「さしすせそうきたって たちつてとんで さんぱつキックする」と言って左足で三発キックします。それを孫達は見様見真似であとに続きます。

最後は「なにぬねノックアウトして はまやらわたしが チャンピオン」と言って、孫達もあとに続きました。

そんな慌ただしい毎日が続くある日、朝から聞こえてくるはずのミットの音が聞こえてきませんでした。おじいちゃんは調子が悪くなって寝込んでいたからです。

ところが、なかなか体調が戻らず、おじいちゃんはとうとう入院することに……。脳の病気を患っていたのです。

それ以来、おばあちゃんが今度はトレーナーになって、おじいちゃんの看病を行いました。

おばあちゃんは片時も離れずにおじいちゃんのそばにいたかったのですが、規則で病院に泊まることができません。

そこで、おばあちゃんは近くの公園にテントを張って寝泊りしました。そして、朝を迎えて開院すると途端に飛び込んでいきました。

そうしたおばあちゃんの看病の甲斐あって、おじいちゃんが元気になって退院すると、二人はさっそくキックボクシングの練習を再開しました。おばあちゃんの引退試合に向けて、最後の追い込みをかけているのです。

さて、これまで毎日毎日練習を励んできたおばあちゃんは、引退試合で有終の美を飾ることができるのでしょうか。最後はおばあちゃん達の死闘が繰り広げられます。