この絵本の内容紹介あらすじ

昔話研究の第一人者である小澤俊夫氏を著者に迎え、昔話の理論や法則、構造や語り口(文体)などをきちんとふまえ、昔話を正統的に伝える絵本シリーズの第4弾。

母の病いを治す方法を知るため、息子は仙人を訪ねる旅に出ます。途中で、病いの癒えない娘をもった長者、3年実のならないみかんの木を育てるお百姓、何年修行しても龍になれない蛇と出会い、それぞれから答えを仙人に聞いてきてほしいと頼まれます。息子は険しくつらい旅路の果てに、ついに仙人と巡り合いますが、仙人から3つしか答えてくれないと言われてしまいます……。

金井田英津子氏の、繊細かつ緻密な鉛筆画により、昔話の世界が立ち上がってきます。感性豊かな子どもから、目の肥えた大人までもが楽しめる、新しい昔話の表現を追及した本格派の絵本です。親から子へと代々語りつがれてきた昔話には、人間の生き方、命のありよう、自然との共存といった、人類の生きる知恵や思想が凝縮されています。話の構造がシンプルで明快なため、子どもたちに読んであげる、あるいは語ってあげる最初の物語として最適な1冊です。

絵本「仙人のおしえ」の一コマ
絵本「仙人のおしえ」の一コマ2