この絵本の内容紹介
貧乏長屋に住んではいるが、実はめっぽう腕の立つ、正義の味方。人呼んで、へんてこざむらい、その名を“ひらた・おでん”と申します。 ひらた・おでんが、雪のちらつく冬のお江戸を、お供のカブト虫“かぶへい”と歩いていると、聞こえて来たのはこどもの悲鳴・・・・・・。見れば、傘おばけのぼうずが、酔っ払った悪いさむらいにからまれています。ぼうずは病気のおばあちゃんのために、あったかいうどんを買いに町へと出てきたのでした。酔いどれざむらいは自分の傘にしてやるなどと無理難題を言います。しかし、はじめはおびえていたぼうずも、おばけである自分とおばあちゃんを馬鹿にされると、たまらず凛とした声で言い返すのでした。そんなぼうずにおそいかかる酔いどれざむらい・・・・・・さあ、おでんさむらいの出番です!
人気絵本作家のふたり、内田麟太郎さんと西村繁男さんが、再びコンビを組んでの創作絵本です。主人公のおでんはもちろんのこと、おでんの親友でもあるかぶへいや、傘おばけのぼうずなど、魅力的な登場人物たちが顔を出します。傘おばけのぼうずはおばけであることに誇りを持っていて、おばあちゃん想いの優しい子どもでもあるのですが、そんなぼうずに肩入れしてしまいたくなるおでん自身も、他ならぬおばあちゃんっ子なのでした。そんな人情と優しさが、寒い寒い雪の日をあたたかくしてくれます。楽しくて面白い、そしてちょっとほろりとさせるお話になっています。読み聞かせにもおすすめです。