この絵本の内容紹介
石ころ島に三匹のカエルが住んでいました。
名前は、マリリンとオーガスト、それからジェシカ。
その三匹の中でも、特にジェシカは好奇心に溢れていました。島の反対側まで行ったかと思えば、日が暮れる頃に何かを持ち帰ってくるのです。ジェシカは、何でもない石ころを拾っても「すごいでしょう?」と自信満々でした。
——ある日、ジェシカは不思議な石を拾いました。雪のように白く、満月のように丸く、ジェシカと同じくらい大きなものでした。
「マリリンと オーガストが,これを みたら なんて いうか たのしみね!」
そんなことを考えながら、三匹の住む入り江まで不思議な石を転がしていきました。
ジェシカが拾ったのはニワトリの卵!?
「ほら みて!」
「おおきな いしころでしょう!」
今度ばかりはマリリンもオーガストも驚いてしまいました。
けれども、物知りのマリリンはこれが石ではないことに気づきました。ニワトリの卵だというのです。
——そうして数日が経ったころ、ついに卵から赤ちゃんが生まれました。
マリリンは「おもった とおりよ! にわとりよ!」と叫び、オーガストとジェシカは「にわとり なのね!」と納得しました。
とは言うものの、ニワトリであるはずの赤ちゃんは、ニワトリにしては様子が違いました。水の中に飛び込み、上手に泳ぎ始めたのです。
三匹のカエルは、それでも何も疑わず、一緒になって水の中で遊ぶのでした。
ジェシカとニワトリは大の仲良し
ある日、岩場の波打ち際で異変が起きていました。誰かが溺れているようだったのです。
それなのに、マリリンとオーガストはオロオロするだけ。ニワトリは瞬く間に飛び込みました。
驚いたことに、助け出されたのはジェシカでした。藻に絡まって溺れていたのです。
その日からというもの、ジェシカとニワトリはすっかり仲良くなりました。いつも一緒にいるほどで、島中に出かけていきました。
ニワトリなのにワニ!?
そんなある日、ジェシカとニワトリは、これまで一度も行ったことのない場所へ行きました。そして、偶然にもニワトリに転機が訪れました。
「まあ,ここに いたのね!」
「おかあさんが あなたを さがしまわってるわよ!」
そこに一羽の小鳥が舞い降り、ニワトリに向かってそう言いました。さらには、お母さんのもとへ連れて行ってくれるというのでした。
そうして、ジェシカとニワトリは、小鳥に従って昼夜問わず歩き続け……。
ピクトブック編集部の絵本談議
まさか、ワニをニワトリだと勘違いするとは……。
でも、勘違いしたからこそ、仲良くなれたのかもしれないね!
うんうん。
愉快なカエル達の様子が面白かったよ。
レオ=レオニの作品は、教訓を含むようなお話が多いと思うけど、今回はシンプルに愉快なお話なんだ。
この絵本を翻訳した谷川 俊太郎さんはこう言っているよ。
「ジェシカの行動力と感性は、どんな子どもにも潜んでいる未来へと向かうエネルギーを感じさせてくれる」
たしかに、ジェシカはワクワクに満ちていたね!
ところで、ワニのお母さんに会ったらどうなっちゃうんだろう?
それは読んでからのお楽しみ!
というわけで今回は、絵本「びっくり たまご」のご紹介でした!