この絵本の内容紹介あらすじ

卵が孵ると、小さなワニの子ども達が川岸に這い出してきました。ところが、コーネリアスだけは違います。卵から孵ると歩いて出てきたのです。

絵本「コーネリアス」の一コマ

成長するにつれ、コーネリアスはますます地面を這わなくなりました。そして、二足歩行だからこそ他のワニ達とは違う景色が見えたのです。

「ぼくには くさむらの ずっと むこうが みえる!」

コーネリアスはそう言いますが、他のワニ達にとってはどうでもいいこと。「それが どうしたっていうのさ?」と冷たく言い返します。「うえから さかなが みえるよ!」とコーネリアスが言っても、「へえ それで?」と苛立った様子です。

そんな他のワニ達の態度に、コーネリアスは怒って出て行くことにしました。そして、出会ったのが一匹のサル。逆立ちしたり、尻尾で木にぶら下がったり、コーネリアスに出来ないことがこのサルには出来ました。

さすがのコーネリアスもこれにはびっくり仰天。サルと同じように逆立ちしたり、尻尾で木にぶら下がったりしてみたくなったのです。

そこで、コーネリアスはサルに教えを請い、一生懸命に練習しました。サルもコーネリアスを手助けするのが嬉しくなりました。

そして、とうとうコーネリアスは、逆立ちしたり、尻尾で木にぶら下がったり出来るようになり、胸を張って川岸に帰るのでした。

それでも他のワニ達は、コーネリアスが逆立ちしたり、尻尾で木にぶら下がったりしてみても「へえ それで!」の一点張り。

その態度に落胆して腹を立てると、コーネリアスはサルのもとに帰ることにしたのですが、背を向けた川岸を帰り際に振り返ると……。


誰でも自分の出来ないことや持っていない物を自慢されると良い気持ちはしないものです。ところが、それを蔑んで意固地になっていては成長することはありません。時には、恥を忍んででも素直になることが成長の助けになるのではないでしょうか。この絵本には、そんなメッセージが込められているかのようです。

コーネリアスが最後に見た光景とは、一体どんなものだったのでしょう。