この絵本の内容紹介あらすじ

犬の尻尾の付け根あたりで2匹のノミが暮らしています。そのうちの1匹は冒険心に溢れた積極的な性格で、もう1匹は内気で消極的な性格。この真反対な性格の2匹のノミが、様々な動物の体を跳ね回ります。

「ぼくらは ここに ながいこと いすぎたよ。もっと いろんな ところを しりたいと 思わないかい?かんがえても みろよ —— ぼくらは みみを みたことが ない。ぼくは あそこへ いきたいよ。」

あるとき、1匹のノミがこのように提案すると、もう1匹のノミはそれに反対しました。

「ここは ふわふわで あたたかいよ。ぼくは いうことなしだ。ほうぼう はねまわる きは ないね。ぼくは ここに いたい。」

ところが結局、2匹のノミは犬の耳元に引っ越します。このように、1匹のノミが旅を望めば、もう1匹のノミが反対しました。それでも結局は様々な動物の体を跳び回ることになるのです。

犬から鶏へ、鶏からハリネズミへ、ハリネズミからモグラへ……。2匹のノミの旅はまだまだ続きます。

地面の下を潜ったり、海を越えたり、空を飛んだり、ノミとは思えないほどのダイナミックな旅を通して、一体どこへ辿り着くのでしょう。

絵本「ここにいたい!あっちへいきたい!」の一コマ

この絵本に登場する2匹のノミは小さすぎて、その姿は見えません。赤い吹き出しと青い吹き出しで2匹のノミの会話が展開されます。そのように姿は見えずとも、ノミ達の表情が見えるかのような錯覚に陥るはず。それこそが、この絵本の面白いところです。

姿の見えないノミを描くという発想自体にも面白味を感じることでしょう。