この絵本の内容紹介あらすじ

ある島の夏のこと、サンゴ礁の海では虹色の魚達が元気に泳ぎまわり、デイゴの木は誇らしげに枝を伸ばして真っ赤な花を咲かせています。

石のおうちの前では、たくさんさんの人が集まって何やら賑やかな様子です。
お弁当を広げ、三線さんしんを弾き始めたら、それに合わせて歌いだす人、歌に合わせて踊り始める人、とっても陽気で楽しそうな光景です。

その賑やかな様子をまん丸な目で不思議そうに見ているコウちゃんは、「みんなで何をしているの?」と島のおばあちゃんに訊ねます。
コウちゃんは、初めてこの島にやってきたのでその光景がなんなのか不思議でしょうがありません。

島のおばあちゃんは、「私たちに大事な命をくれた、大事なご先祖様のお墓参りさぁ〜」と教えてくれました。コウちゃんが石のお家だと思っていたのは、島独特のお墓だったのです。
そして、この賑やかな光景は、ご先祖様に「ありがとう」を伝えている光景だったのです。

島のおばあちゃんは、「ぼうやにいのちをくれた人は誰ね〜?」っとコウちゃんに訊ねます。
コウちゃんに命をくれたのは、お父さんとお母さん。コウちゃんは、お父さんとお母さんが自分のご先祖様であることにびっくりします。

では、お父さんとお母さんに命をくれたのは誰だろう?それは、2人のおじいちゃんと2人のおばあちゃんなのです。では、おじいちゃんとおばあちゃんに命をくれた人は?

コウちゃんは自分のご先祖様が何人いるか、指を折って数えてみることにします。
お父さんとお母さんでまずは2人。おじいちゃんとおばあちゃんが4人。次は8人でその次は16人、そしてその次は……。見開きいっぱいに描かれたご先祖様のたくさんの顔が大迫力で、その果てしないつながりを感じさせます。

沖縄を舞台に、コウちゃんと島のおばあちゃんの会話をとおして、命のつながりを描いたお話です。目には見えないけれど、宇宙の始まりから先祖代々、命がつながり、数え切れないほどの命のつながりをとおして自分が生まれたこと、誰一人欠けても自分が生まれることがなかったことを教えてくれる、先祖を敬う気持ちや命の大切さを感じられる絵本です。