この絵本の内容紹介
1ページごとに1歳ずつ年を重ねていくユニークな構成で、人の一生が1冊に収められています。さまざまなことができるようになり、世界の広さを学ぶ幼少年期、家族が増え、本当に大切なものや幸せとは何かを学ぶ中年期、別れの喪失と時間の儚さ、そして尊さを学ぶ老年期、どの世代にも、そのときどきで大切な学びがあるということを、心に響く言葉と色彩豊かなイラストで描かれています。
人生がどうなっているか知りたいですか?
すべてがこの本にあります。
この本のアイデアは、あるとき、ふと生まれました。それは、生後間もない姪っ子が、ミイラのように布にくるまれ、外界に向かってまばたきしているのをはじめて見たときでした。なんて不可思議な旅が、この子を待ち受けていることか! と思ったのです。彼女を待ち受ける素敵なことをうらやましく思う気持ちが半分。でも同時に、今までのさまざまな痛みの記憶から、自分の中につまっている悲しみを思い、同じものがやはり彼女を待ち受けているとも感じました。
悲しいことに、おとなになると私たちは、世界に満ちる驚き、たとえば、連なる山々や満月、そして他者から受ける愛情になんだか慣れてしまい、当たり前に思ってしまうことがあります。それらの気高さを感じ取る心をもう一度取り戻すには、世界を新しい視点で見る必要があるのかもしれません。この本では、人生のそれぞれの局面で、世界の見え方が変わるということを表現できたらと思いました。(著者「あとがき」より)
私たちは「不可思議な旅」のまっただ中で、互いに出会い、すれ違い、ぶつかりあったり惹かれあったりして生きています。
さまざまな年齢の方々に、この旅をともに生きる家族や友人とこの本を手にとり、自由な会話をしていただければと願っています。(「訳者あとがき」より)