この絵本の内容紹介
おじいちゃんは一人掛けのソファーに腰掛け、いつも甘いトーストを食べています。そんなある日、おじいちゃんの前に孫がやってくると、二人はすっかり仲良しになりました。
「なんだちびすけ 食べたいのか しかたねえな」
そう言いながらも、おじいちゃんは『ちびすけ』をいつも待っています。そして、いつも甘いトーストを分けてあげます。
ある日は、イチゴジャムをたっぷり塗ったトースト。またある日は、あんこをたっぷり塗ったトースト。他にもマシュマロを乗せたトーストやレーズンを乗せたトーストを一緒に頬張ります。
そうしておじいちゃんと日々を過ごすうちに、『ちびすけ』は小学生となり、中学生となり、高校生となり……。さらには社会人にまで成長します。それでも、おじいちゃんにとっては『ちびすけ』はいつまで経っても『ちびすけ』なのです。
ところがある日、『ちびすけ』は一人でトーストを食べていました。一人掛けのソファーにおじいちゃんの姿はありません。大好きなおじいちゃんのことを考えながら、しんみりとしています。
おじいちゃんはどうしてしまったのでしょうか。『ちびすけ』の様子に、不幸があったのかと思いきや……。
この絵本は、おじいちゃんと『ちびすけ』の温かな交流を描きます。おじいちゃんは「しかたねえな」と言いながらも、いつも『ちびすけ』が来るのを待っています。その姿は不器用ながら『ちびすけ』への愛情を感じます。
絵本をめくるたびに、左半分のページには美味しそうなトーストが画面一杯に描かれます。香ばしい匂いが今にも漂ってきそうで、ついついお腹が空いてくることでしょう。