この絵本の内容紹介
畑の真ん中で行き合った二匹のカエル。一匹は緑色のカエルで、もう一匹は黄色のカエルです。
「やあ、きみは きいろだね。きたない いろだ。」
緑色のカエルがそう言うと……
「きみは みどりだね。きみは じぶんを うつくしいと おもっているのかね。」
今度は黄色のカエルが言い返しました。
すると──
緑色のカエルは怒りが込み上げ、黄色のカエルに飛びかかりました。
黄色のカエルもやられっぱなしではありません。緑色のカエルに向けて、後ろ足で砂を蹴飛ばしました。
こうして、口喧嘩から取っ組み合いの喧嘩にまで発展してしまったのですが……そこへ一陣の風が──すぐそこまで冬が近づいてきたのです。
カエル達は寒さが大の苦手。土の中に潜って冬を越さなければなりません。二匹のカエルは春まで休戦することになりました。
「はるになったら、このけんかの しょうぶをつける。」
緑色のカエルはそう言って、土の中に潜りました。
「いま いったことを わすれるな。」
黄色のカエルも言い返し、土の中に潜りました。
こうして決着もつかぬまま二匹のカエルは冬眠に入り、いずれ来る春を待ちますが、いざ春を迎えると……。