この絵本の内容紹介
2対4で負けている一打逆転のチャンスで出番が回ってきた出口 塁くん。
でも、ここまで2三振の塁くんは、監督からの「打て」のサインにきょとんとしてしまいます。
なぜなら、ワンアウトランナー1・3塁の場面、てっきりスクイズのサインが出ると思っていたのです。
しかし、6回の攻撃で相手ピッチャーはバテてきているということで「ファーストストライクから打ってけ。センター返しを心がけて。」と監督は言うのです。
塁くんは張り切って打ちますが……ボテボテのセカンドゴロ。4-6-3のダブルプレーに倒れてしまいました。
試合も終わった夕方にお母さんが塁くんにおつかいを頼みます。マーガリンを切らしてしまったというのでコンビニまでひとっ走りすると、久しぶりに社会人の仙ちゃんに遭遇するのでした。
そして、仙ちゃんは試合を見ていたというので塁くんはびっくり。
仙ちゃんに大振りした理由を聞かれた塁くんは、ホームランで一発逆転を狙おうとしたのだと答えます。
でも、塁くんはホームランを一度も打ったことがありません。仙ちゃんは、いきなり狙って打てるものではないと諭すのでした。
仙ちゃんは、プロ野球選手がホームランを打つのにどれだけの努力を重ね、技術を磨いてきているのか、実際にホームランを見たときの感動を熱弁します。
高校野球でレギュラーをしていた仙ちゃんもホームランを打ったことがないという話を聞いた塁くんは、なおさらホームランなんて打てないと落ち込んでしまいます。
でも、仙ちゃんに諦めるなと慰められて、塁くんはホームランを打つためにも改めて前向きに野球と向き合う決意を固めるのでした。
野球が大好きな少年と青年の交流を通して、夢に向かって一歩ずつ一歩ずつひたむきに努力することの大切さが描かれた絵本です。