この絵本の内容紹介
僕はチョコだるま。チョコレートの雪だるまです。
丸々とした体は、ミルクのように甘いホワイトチョコレート。
目と鼻と口と手は、ほんのり苦いブラックチョコレート。
お腹には、マーブルチョコのボタンも付いています。
そして、僕を作ってくれたのは、お菓子職人のマルタさん。いつも作っているチョコレートとは違って、大きな僕を作るのは一苦労だったそう。
お客さんとホットチョコレート
マルタさんのお店では、特製のホットチョコレートが飲めます。それを目当てにお客さんがやってくるのです。
木枯らしが吹く寒い日は、一組のカップルがやってきて、幸せそうにホットチョコレートを飲みました。
雪がしんしんと降る日は、喧嘩した親子がやってきて、ホットチョコレートを飲みながら仲直りしました。
いつも来るおじいちゃんは、嵐の日もやってきて、ホットチョコレートを飲みながら思い出を浮かべました。
マルタさんとの別れ
ある日、お金持ちがやってきて、僕は買われることになりました。箱に入れられると、さっそく車に載せられました。
「もう、マルタさんに会えないの?」
「もう、お客さんに話をきけないの?」
「もう、まどから子どもたちがあそぶのをみられないの?」
そう思うと、僕は悲しくなって涙が止まりません。それでも、お金持ちの家に向かって車は進み続けました。
お誕生日プレゼント
僕が買われた理由は、子どもの誕生日プレゼントにするためです。
金持ちの家に着くと、僕は箱に入れられたまま、暗い部屋に置かれました。何も見えない、何も聞こえない、その真っ暗な部屋で、僕はまた涙が溢れてきました。
そうして長い時間を過ごしていると、今度はドアが開く音がして、僕はどこかへ担がれていきました。
「おたんじょうびおめでとう!」
突然、声が聞こえて箱が開くと、目の前には子どもがいました。ところが、僕の顔を見て「こんなきたないのいらいない!」と泣いてしまい……。
ピクトブック編集部の絵本談議
どうして子どもは泣いてしまったんだろう?
「汚い」って何があったんだろう?
ちょっとだけ話すと、チョコだるまの顔が涙で溶けてたからだよ。そして、マルタさんのお店に突き返されることになっちゃうんだ。
ええ!?
そのあとはどうなっちゃうの?
それは読んでからのお楽しみ!
それにしてもホットチョコレート飲みたくなるね!