この絵本の内容紹介あらすじ

82歳のおばあちゃんは、ある日転んで怪我をしてしまいました。みんなから好かれ、よく働き、しっかり者のおばあちゃんだったのに。

そのころから様子がおかしくなりました。おばあちゃんがおばあちゃんではなくなりました。子どもにとってはそう表現しても仕方がないおばあちゃんの行動は、一般的には認知症と呼ばれます。

昔のことにとてもこだわりを持ったり、娘を怒ったり、すぐ前にやったことをすっかり忘れていたり。来る日も来る日も同じ事をして娘に怒られ、孫のことも誰か分からなくなっていくおばあちゃん。元気がなくなり、日に日に衰弱していくおばあちゃん。人間の死に向かう姿が正面から描かれています。

そんな中でも、おばあちゃんを「あかちゃんみたいだね」と思いやりの温かさで笑い、幸せを感じている家族の姿が見られます。悲しいけれど、死は絶対に免れることができない、みんなが辿る道だということを受け入れ、温かさとともに、みんないつかは年をとっていくんだよ、と伝えてくれる絵本です。

老いや死を伝える最初の一歩としてのお子さんへの読み聞かせはもちろん、生と死の在り方を改めて感じることのできる深い深い絵本です。