この絵本の内容紹介
小さな町のマンションの6階でおじいさんは一人で暮らしていました。
毎朝、一人で朝ご飯を食べて、それからエレベーターで下に降りて外に出掛けていくのです。
一方、動物園のライオンもおじいさんと同じような生活を送っていました。
毎朝、一匹で朝ごはんを食べて、それから金網のトンネルを抜けて檻の中をぷらぷら歩きます。
おじいさんは、久しぶりに動物園に行こうとバスに乗ってお出かけです。
動物園に着くと、まず最初に切符を買って、それから入場するとライオンの檻に真っ直ぐと向かいます。
ところが、ライオンは檻のなかで元気もなく悲しそうに暮らしています。そこで、おじいさんは檻の前まで椅子を持ってきて、ライオンに本を読んで聞かせることにしたのです。
そして、おじいさんに本を読み聞かせてもらったライオンは、元気を取り戻し、お礼にと曲芸を披露するのでした。
おじいさんは、ライオンの曲芸を楽しんだあと、若い頃にサーカスで働いていたときのことを不意に思い出します。
おじいさんの担当は動物の世話係だったのですが、ある日、子どものライオンがふざけて怪我をしたのです。そして、おじいさんが親身になってライオンの手当てをして以来、ふたりは大の仲良しになったのです。ライオンの怪我はすっかり治ったのですが、左のお尻に傷跡が残ってしまったのでした。
そんな昔のことを思い出していたおじいさんですが、目の前にいる檻のなかのライオンの左のお尻にも傷跡があることに気づいたのです。
ふたりは、お互いに友人だったことを思い出します。そして、懐かしい友人との再会にふたりは幸せな時間を過ごすのでした。
ところが、そんな幸せな時間も終わりを迎えます。動物園の閉園時間が迫っていたのです。
そこでおじいさんは財布の中身を確かめてから園長のもとへと向かうことにするのですが……。
おじいさんは一体何を思い立ち、何をしようというのでしょうか。
ポカポカと心が温まるような優しい世界が広がるお話です。この絵本を読んだ後、きっと優しい気持ちに包まれることでしょう。