この絵本の内容紹介
少年ちびすけは、おじいちゃん子。晴れた日は、桜を見に行こうとじいじに連れられて、さくら山に出かけます。
さくら山の桜の木は、嬉しいことがあるたびにじいじがこっそり植えた桜の木。大きく育った桜の木がそこらじゅうで立派な枝を伸ばしています。
ちびすけが「じいじは すごいな」と言うと、「なんも なんも」と穏やかなじいじの声。
じいじは一本一本の桜の木に触れては挨拶し、「具合の悪い木はおらんかな」っと桜に話しかけるのでした。ちびすけもそれを真似てみますが桜からの返事はありません。
ちびすけとじいじのさくら山での思い出はたくさんあります。草ぶえやおおばこの相撲、笹の舟、いろんな遊びをじいじは教えてくれるのでした。
草や花や虫のことをじいじはなんでも知っているので「じいじは すごいな」とちびすけが言うと、じいじは「なんも なんも」と嬉しそうに笑います。
季節も移ろい、雪が降ったある冬のこと、じいじは病に伏せて寝込んでしまいます。ちびすけとじいじの穏やかで和やかな日々が一転するのでした。
ちびすけがじいじを心配すると「なんも なんも」と健気な返事。それでもじいじが心配なちびすけは、一人でさくら山に出かけます。
そして、「じいじを元気にしてください」「じいじの病気を治してください」と桜の木に何度も何度も必死にお願いするのでした。
じいじはどうなってしまうのでしょう?
じいじとちびすけの思い出がたくさん詰まったさくら山にまた二人で一緒に訪れることはできるのでしょうか?
水彩画の柔らかい色調にのせて孫と祖父のゆったりとした温かい交流を描いた感動の絵本です。桜の季節が巡り来る頃に大切な人を想い浮かべながら読んでみてはいかがでしょう。