この絵本の内容紹介あらすじ

大昔のこと、あるところにトリケラトプスの親子が暮らしていました。
ある日、トリケラトプスの親子は赤い実を取りに山に出かけるのでした。

トリケラトプスのお父さんが木に体当たりするとたくさんの赤い実が降ってきます。その実を取っていると雨が降り始めたのでトリケラトプスの親子は洞穴で雨宿りをしながら赤い実を食べることにしました。

ところがそのとき、大地震が起きて岩が崩れ落ちてきたのです。トリケラトプスのお父さんが洞穴から出るように言いますが、お母さんも子どものリケラも恐くて体が動きません。
洞穴の入り口が岩で塞がりかけたとき、トリケラトプスのお父さんは急いでリケラを洞穴の外に突き飛ばすのでした。

リケラは、幸いにも柔らかい草むらに着地したので怪我はありません。ところが、洞穴の入り口は岩で塞がれ、トリケラトプスのお父さんとお母さんは閉じ込められてしまったのです。

リケラはお父さんとお母さんのことが心配でたまりません。トリケラトプスのお父さんは洞穴の中から岩に体当たりしますが、何度やっても入り口を塞いだ岩はびくともしません。

そこで、リケラは助けを求めて森の中に駆けていきました。
まず最初にやってきたのはパキケファロサウルス。自慢の石頭で体当たりしますが、岩はびくともしません。
次にやってきたのはアナトティタン。突き出た大きな口で体当たりするのですが、やっぱり岩はびくともしません。
格好いい角が自慢のスティラコサウルスや固い尻尾が自慢のサイカニアも救助に駆けつけますが、いくら頑張っても岩はびくともしませんでした。

みんなが諦めるなか、リケラだけは諦めません。洞穴を塞いだ岩に向かって泣きながらも体当たりするのでした。

その様子を見た恐竜達は、小さなリケラには無理だと説得します。そして、洞穴を塞ぐ岩をどうにかできる恐竜はいないだろうと嘆いていると・・・、アナトティタンが何やら思いつきます。

ところが、アナトティタンは無理な考えだとすぐに諦めてしまいました。その考えは、天敵のティラノサウルスに助けを求めるというものだったのです。
リケラはその考えを聞くと、さっそく助けを求めにティラノサウルスの住む暗い谷底に向かうのでした。

「おねがいが あるの!わ、わ、わたしを たべて」
リケラが谷底に着くと、ティラノサウルスを誘い出すために声を張り上げました。

リケラは、トリケラトプスのお父さんとお母さんを助けてくれたら自分を食べてもいいとティラノサウルスと約束したのです。そして、ティラノサウルスと洞穴に向かい……。

ティラノサウルスはご馳走にありつくために、リケラはお父さんとお母さんを助けるために、一生懸命に岩へ体当たりします。
ティラノサウルスとリケラは、何日も何日も、何度も何度も岩に向かって体当たりします。そうして同じ時間を共に過ごすうちにティラノサウルスに心境の変化が現れます。

絵本「わたししんじてるの」の一コマ

この絵本は、信じることや諦めないことの大切さを描きます。ティラノサウルスとリケラは、洞穴の中からトリケラトプスのお父さんとお母さんを助け出すことができるのでしょうか。そして、リケラはティラノサウルスに食べられてしまうのでしょうか。