この絵本の内容紹介
ケンカは素手でやること。
ケンカは1対1でやること。
ケンカはどちらかが辞めたくなったら辞めること。
これがケンカの約束です。この約束を守れば、ケンカは悪いことばかりでなく、ケンカする前よりも仲良くなれるのです。
これは、子どもたちの遊び場「あそび島」でのお話。「あそび島」には先生もいて、毎日、たくさんの子どもたちが遊んでいます。
たい君は、家の隣にある「あそび島」で毎日遊んでいます。そして、一番の友達は、こうた君です。
たい君とこうた君は大の仲良し。それなのに、ある日、取っ組み合いのケンカをしてしまいます。
蹴りを入れたり、パンチしたり、掴まれたり。蹴りを入れられたり、パンチされたり、掴まれたり。
それでも、こうた君はとても強くてビクともしません。ついには、たい君は床に倒されてしまうのでした。
「もう いやだ!」とたい君が降参すれば、こうた君は「おわりにする!」と言って、たい君の肩をどつきます。
その拍子にたい君が尻餅をつくと、悔し涙が溢れ出ます。たい君は走って家に帰ると、お母さんにくっついて涙がさらに溢れ出ました。泣きたい気持ちがなくならないないのてす。
それから、あいこ先生が家にやって来ました。
「たい おやつ いっしょにたべよう。さっき みんなでつくった ぎょうざだよ」
そう言って、たい君とたい君のお母さんを誘いに来たのです。
たい君は、絶対に返事しないと心に決めます。お母さんも誘われましたが、お母さんも行かないに決まっているとたい君は考えました。
ところが、絶対に行かないと思っていたお母さんは、おやつに誘われて行ってしまいます。「なんでだよ!」という憤りが、たい君の心の中で渦を巻きます。
お母さんが帰ってくると、たい君を誘いにみんなも来ました。そして、「ごめんな!」とこうた君が大きな声で謝ります。
ところが、「なんで あやまるんだよ!」と惨めな気持ちがたい君の心の中で渦を巻きます。たい君の中では、『けんかのきもち』は終わっていないのです。悔しさのあまり、たい君の涙は止まりません。
果たして、『けんかのきもち』は終わるのでしょうか。たい君とこうた君は仲直りできるのでしょうか。
ケンカをテーマに、たい君の心の葛藤を描きます。ケンカに負けた悔しさ、味方してくれない憤り、謝られる惨めさ、仲直りする照れ臭さ、様々な気持ちの変化が渦を巻くように押し寄せます。
ケンカと言うと悪い印象が強いですが、ケンカを通して分かり合えることもあるのです。『けんかのきもち』と向き合うことで、自分を理解し、相手を理解できるのでしょう。
そういった成長を経て、取っ組み合いのケンカではない、他の解決策を見出せるようになるはずです。