この絵本の内容紹介
ほんわり温かなイラストが可愛いくまの子ウーフのシリーズ、お月さまのお話です。
十五夜の日、ウーフのお母さんはお団子を作りながらこう言います。「お月さんはね、すすきや、はぎの花もすきなのよ。」
それを聞いたウーフは、お花を摘みに野原へ。そこには、秋の七草であるはぎやおみなえしなどを抱えたうさぎのミミちゃんも来ていました。2人が土手へすすきを取りに向かうと今度はきつねのツネタと弟のコンが歩いてくるのでした。
「お月さまはお団子が好き」と言うウーフとミミにツネタはこう言います。「お月さんはおもちもお団子もあきちゃったのさ。たまにはコロッケがいいって。」
驚くウーフとミミにツネタは「お月さんはね、うさぎよりきつねがだいすきなんだぜ」と続けて言います。なぜなら、お月さまは後ろにずーっとついてくるから。この発想がとても可愛らしくて微笑ましいですね。子どもの頃、同じように月がどうして自分についてくるんだろうと感じたことを思い出しますよね。
みんなと別れた帰り道、くまのウーフは、自分の後をついてくるお月さんに気がつき、「お月さんはね、くまのことも、すきなんだよね。」と笑います。みんなそれぞれ、自分のところだけについてきていると思っているところが面白いですね。お月さまは、みんなが無事お家に帰れるように夕暮れ道をそっと照らしてくれているかのようです。お月さまのセリフはありませんが、みんなのことがきっと大好きなのでしょうね。