この絵本の内容紹介
うさぎには友達がいません。いつもひとりで池を見ていました。
「だれか ともだちに なってくれないかなぁ。だれでも いいから」
ある日、うさぎがそんなことを呟くと、どこからともなく声が聞こえてきました。
「ほんとに だれでも いいのか。だれでも」
うさぎは慌てて「だあれ?」と問いかけますが、返事はありません。返事の代わりのように、冷たい風が吹くのでした。そして翌日、うさぎが池に出掛けると、切り株の上に置き手紙がありました。
「うさぎへ おれと ともだちに ならないか っぱより」
水に濡れて「っぱ」の上にある一文字が滲んで読めません。そこで、うさぎは手紙の差出主を探し始めます。
もしかしたら「はっぱさん」かもしれない。葉っぱの帽子が似合うリスかもしれないと考えます。うさぎは、葉っぱの帽子が似合うリスを見かけると、「ともだちに なりましょう」と呼び止めました。
ところが、「ふん、うさぎとなんか。おれは これから しかと あそぶのさ」と言って、そっけない態度で通り過ぎます。
うさぎは落ち込みながらも手紙の差出主を考えます。すると、どこからともなくラッパの音が聞こえてきました。
もしかしたら「らっぱさん」かもしれない。そう考えていると、ラッパを吹くキツネがやって来ました。うさぎは、上手にラッパを吹くキツネを見かけると、「ともだちに なりましょう」と呼び止めました。
ところが、「なーんだ、うさぎか。ぼくは これから おしろへ いくのさ。じょうおうさまに よばれてね」と言って、そっけない態度で通り過ぎます。
そう言われて、さらに落ち込むうさぎ。手紙の差出主は一体誰なのでしょう。そして、うさぎは友達ができるのでしょうか。