この絵本の内容紹介あらすじ

フランスの小さな町にルイーズ・ボドという婦人が暮らしていました。そして、ボドさんにはブラジルで爬虫類研究をしている一人息子がいました。

ボドさんの誕生日になると息子からプレゼントが届きます。郵便屋さんが運んできたプレゼントは、ドーナッツ型の奇妙な箱に入っています。

ボドさんは、その奇妙な箱を開けると悲鳴を上げて驚きます。なんと、その箱の中身はヘビだったのです。

毒ヘビかどうかを確かめるため、ボドさんは動物園に向かいます。そして、息子から届いたヘビは、ボア・コンストリクターという毒のない大蛇の仲間であることが判明しました。

一安心したボドさんは、そのヘビにクリクターという名前を付け、ペットとして子どものように可愛がります。ミルクを飲ませたり、ヤシの木を何本も買ってブラジルの生まれ故郷を再現したりするのでした。

クリクターは本当の子どものように愛情を受けて育てられます。ふかふかのベッドを用意してもらったり、セーターを編んでもらったり、ボドさんの買い物についていくこともあります。

まるで人間の子どものように育てられたクリクターは、ある日、ボドさんに連れられて学校に行くことになります。ボドさんは田舎の学校の先生だったのです。

教室の席に着いたクリクターは、人間の子ども達と同じようにアルファベットや数字の勉強に取り組みます。

「S」はヘビという意味のスネークの「S」、「E」はゾウという意味のエレファントの「E」、「N」は……といった具合にアルファベットを学びます。

数字も同じように、「2」は両手の「2」、「3」は三びきの仔豚の「3」、「4」は……といった具合に学びます。

クリクターは、自分の体をくねらせながらアルファベットや数字を表現し、何かと関連付けて上手に覚えるのでした。

そんな穏やかで楽しい日々に、突然と不穏な噂が舞い込んできます。ある日、ボドさんが道端の喫茶店でコーヒーを飲んでいると、この町で泥棒被害が発生しているという話を耳にします。

そして、その噂を聞いたちょうどその夜、ボドさんの家に泥棒が忍び込み……。

ボドさんは泥棒に捕まってしまい、残されたのはクリクターだけ。手に汗握る展開ですが、一体どうなってしまうのでしょうか。クリクターの勇敢な姿に一安心の愉快で楽しい絵本です。