この絵本の内容紹介
ひとりぼっちのかわいそうな子犬には、帰る場所がありません。
自分のものと言えるのは、首に巻いた赤いスカーフだけ。
ある日、流れる川に落ちた一枚の葉っぱを追いかけ、子犬は町に迷い込み…。
「きっと どこかにある」と信じて歩みを止めない子犬。
風が吹いても、雨がふっても、あきらめずに進みます。
途中、においにつられて入り込んだカフェでは、人々に心ない言葉を投げつけられてしまいます。
少し物悲しげな雰囲気が漂いつつも、ラストに向かってお話はゆったりと進みます。
イラストの風合いも相まって、あたたかく心にじんわりと入ってくる内容となっています。
作者のリチャード・ジョーンズの作品は『ガラスのなかのくじら』(トロイ・ハウエル/共著 あすなろ書房)、『キツネのはじめてのふゆ』(マリオン・デーン・バウアー/作 鈴木出版)、『だいすきライオンさん』(ジム・ヘルモア/作 フレーベル館)など今日本でも注目され邦訳が各出版社より発刊していますが、今作はリチャード・ジョーンズが作・絵ともに手がけた絵本、初めての邦訳作品です。
居場所をテーマとするこの絵本ですが、教訓めいているわけではなく、寂しさとぬくもりが共存するイラストと、福本友美子先生によって訳された優しい言葉たちのおかげでじっくりと味わいたくなるような絵本になっています。
イギリスの人気イラストレーターが描き出す、アメリカ、フランス、ドイツ、韓国など世界10か国で出版されている、イギリスで話題の絵本です!